2013/11/14
私は何故走るのか




国分寺道場の江口です。
毎回思っていますが、本当に月日の経つのは速いですね。
前回は夏真っ盛りでしたが今は全日本空手道選手権大会も終わり(詳細は極真会館総本部のホームページや各メディアをご参照ください。大変見ごたえのある大会でした。)残すところ今年も後僅かになりました。
毎回このブログのネタはランニングの最中に考えていますが私が何故走るのかというと『自分で決めたことだから』とか『心肺機能と脚力の向上』とかそう言う理由ではありません。
(確かにそう言う効果もありますが。)それだけの理由ならば確かに根性と体力はつくでしょうが、走ること自体は苦行になり余程の忍耐力がなければ長続きしません。
空手を始めてから30年、定期的に走っていますが、確かに10年位前までは『嫌なときもあるけど仕方なく走る』こともありました。
でも今は走ることが気持ちいいのです。走る度に快適になるのです。
以前は雨が降ると『やったー!走んない理由ができたぞ?』と思ってましたが今では『クッソー雨か?。走れねーじゃねーか。このくらいならカッパ着て走っちゃ え!!』という感じです。
では何故走ることがこんなにも快適になったのかと言うと以前にも書きましたが色々な武術研究家、身体研究家の先生方の数々の著書と出会ったからです。
読書は今も昔も私にとって最も手軽に出来る勉強法です。その先生方の著書を片っ端から読み漁り(勿論50%位かそれ以下しか理解出来ていないと思います。)自分の空手の稽古をはじめ様々な身体操作に取り入れています。
すると以前では考えられなかった動作が自然に出来るようになったりします。
走ることも以前は地面を蹴って身体を前に押し出し反対の足で着地する際大腿四頭筋に力を入れて身体を止め、その足でまた地面を蹴るという動作を繰り返していましたが(普通の人の走り方ですが)、地面を蹴って前にでると2挙動になり大腿四頭筋に力を入れたり抜いたりするのは非常に効率が悪いそうです。
この走り方だとランニングの後に大腿四頭筋(太ももの前側)が筋肉痛になります。
そもそも相手と向かい合ったとき2挙動で動いては見切られてしまいます。でも走るときハムストリングスと腸腰筋を使って大腿骨を前後に動かし地面を蹴らないで走るようになれば動き出しが2挙動にならず大腿四頭筋にも無駄な力が入らずあまり疲れずに走れます。
運足が1挙動になるので相手と向かい合ったとき、より速く動けます。
人間は自分が認識している以外の動きを相手にされると一瞬相手を見失ったり相手が消えたりしたように見える事があるそうです。また一歩進むごとに身体の無駄な力が抜けて全身がバラバラに解れていくようにイメージしながら走るとどんどん快適になっていくのです。
走るという一定のリズム運動は脳内セロトニン神経を活性化させ脳を覚醒させる作用もあるそうです。
以上の事から走ることは私にとって快適な行為なのです。この全身がゆるむ感覚が解ると空手だけでなくあらゆる身体操作に応用出来ます。私ごときはまだまだ未熟ですがそれでも今まで手探りで霧の中の山道を登っていたのが霧が晴れて登山道がはっきり見えてきた感じです。
後はこの登山道を出来るだけ高く登りたいのです。頂上に立つことは限り無く不可能に近いですが(と言うか不可能ですが)一歩でも近付きたいと願いながら私は今日も走っています。
そして自分が体得したことを(大したことは体得していませんが…)道場稽古や合宿等で出来るだけ解りやすく道場生の皆さんにお伝えしたいと思っております。
(ちなみに私が現在一番参考にしているのは高岡英夫先生の著書です。以前は難解な物が多かったですがここ数年前から結構解りやすい物も出ています。興味のある方は御一読をお薦めします。他の参考文献としてはモチベーション向上に『Kの流儀フルコンタクトゲ―ム』『牙の領域』『ルシフェル14歳』『ハイブリッドアーマー』『クラムボン殺し』『一角獣伝説』を強く推薦します。必ず御一読ください。)