2013/11/21
永遠の0




川嵜です。
別の場所でも触れましたが、百田尚樹さんの『永遠の0』を読みました。
2年前に購入しながら、なかなか表紙をひらけずにいました。

本を読んだ人達の感想を聞いて、それなりに覚悟して読む本だと感じていました。
ようやく心の準備も整い、読み始めてからはあっという間に読破。
戦時中の零戦に乗る1人の特攻隊員を中心に、軍隊組織の在り方や戦争の悲惨さが描かれています。
空中戦の描写などはとてもリアルで読み応えがあります。

私は今まで接骨院などに勤め、多くの高齢者の方々から戦時中のお話を聞く機会がありました。
現在は介護施設で機能訓練に携わり70代〜90代の方々と日々接しています。

『永遠の0』を読んでからは、戦時中の話をことさら聞くようになりました。

お父さんが目の前で機銃掃射に倒れた方や、女学校時代に学徒動員で戦闘機の部品を作っていた方、弟さん2人が10代半ばで戦死した方、旦那さんが奈良の予科練にいた方など、様々です。
ある長崎県の島原出身の女性は、4歳ころに母親と長崎市方面の上空にキノコ雲見た事、寝ていると隣の部屋から母親の泣き声が聞こえてきて、ふすまから覗くと大きなリュックの隣で母親が泣いていた事、その2つの光景が今でも目に焼き付いていると教えてくれました。
大きなリュックは、終戦から暫く経ったある夜に、諦めていた父親が戦地から戻ってきた時に背負ってきた物でした。

そういったお話を皆さんわりと穏やかに語ってくれます。
どれも想像もつかないようなお話ですが、小説と重ね合わせながら聞いています。
日々、色々ありますが私が思う苦労なんて、この方たちの苦労に比べたら何でもありません。

そんな中、一人の利用者の方が、いろいろ思い当たることがあるかもと、『永遠の0』をお貸ししました。

これからは道場の中高生にこの本を貸して、感想を聞いてみようと思います。