2013/8/12
暑さ地獄のロックンロールのような昼稽古



押忍 国分寺道場の江口です。
前回はまだ花粉症の季節でしたが月日がたつのは早いものですね〜。
今は猛暑です。夏真っ盛りです。気温は37度(体感温度40度。)
ランニングしていてもドライヤーの熱風を当てられているような感覚になります。(でも熱中症回避の為か公園は殆ど人がおらず貸し切り状態!)

よく「こんな暑い日に走るんですか?」と聞かれますが暑い日を選んで走っている訳ではなく走ると決めている曜日がたまたま猛暑日だっただけです。ランニングを終えて道場に戻ると昼稽古の前で数名の道場生が(通常6〜7名、多いときは10名以上)準備運動をしているのだが稽古前なのに皆さん汗だくなのだ。
実は昼稽古担当指導員のA二段の方針でエアコンを使わないのだ(勿論私の指導する夕方以降の稽古はエアコンを点けて快適に稽古してますのでご安心下さい)。
道場内の温度計を見ると33度ある。私が『Aさん、エアコン点けましょうよ』と促しても『いえ師範、皆さんの総意なのでエアコンは点けません』(本当に総意なのだろうか…)。
皆の真意を探ろうと道場内を見渡すと皆さん俯いて目を合わそうとしない…。
私は心の中で『Aさん…違うよ…みんな暑いって思ってるよ…』と思うのだが基本的に担当指導員の判断に任せているので黙っていると稽古開始時刻。
「はい皆さん並んでくださ〜い稽古はじめま〜す」A二段の大声で稽古がスタートするのだが…ただでさえ猛暑なのにエアコン無しでしかもA二段の稽古は数の単位が一桁違うのだ。
常連のN一級曰く「基本のラストの上段前蹴り、上段回し蹴りは百本づつだと『今日は少ないな』と感じます」。
直後の補強も拳立て、ジャンピングスクワットをキッチリしたフォームで各50回を数セット行うのだ。以前移動稽古の締めで『ハイ、ラストは五本蹴り5分』と言っていた。「五本の聞き間違えか?」と思ったらタイマーを取り出してホントに五本蹴りを5分間蹴っていた…。
緑帯の大男、驚異の身体能力を持ったOさんも「スパーリングに辿り着く前にバテちゃうよ〜」と漏らす。
ただ豊富な稽古量を誇る最年長黒帯のH初段とA二段と同期のS二段は平然とこなしているのは流石だ。

しかしきつい稽古に誰も文句を云わずついてくるのはA二段が率先して誰よりも多い数をこなしているからに他ならないと思う。
指導員自らが率先して皆の倍動いていたら他の道場生もやらない訳にはいかないだろう。
しかもA二段は稽古指導の後ソンナム先生のムエタイクラスにも出席してミット蹴りまくっているのだ。
ここにA二段がエアコンを点けない理由があったのだ
そう、ソンナム先生はタイ人で暑さに圧倒的に強くエアコンが嫌いなのだ
いつも『エアコン、サムイ』と言ってるし…。
A二段は『暑さ我慢でもタイ人のソンナム先生に負けたくないっスから』と力強く語っていた…(って、いったい何の勝負だよAさん…)。
そんな訳で(どんな訳だ…)猛暑の今日もA二段の指導する昼稽古はエアコン無しで暑さ地獄の中でロックンロールのように繰り返されるのだ。
道場生達はいつしかA二段の稽古を『アつさジごくのロっくんろーるのような稽古』略してアジロ稽古と呼ぶようになったのだった…