2023/2/15
「ダンナさん脳梗塞で倒れる・8」


さて、ダンナさんの脳梗塞が、実はとてつもなくラッキーな出来事だったという理由です。
  ダンナさんは、緊急手術をしたお医者さんが、ダンナさんの身体の数値を見て、朗らかに笑い
「ああー、ご主人、これは健康そのものですねえ。これはもう、生まれつきのものでしょう」と言った通り、生まれつきの心臓の病気で、いつの間にか血栓ができていたのです。

既に導火線に着火してしまった爆弾を知らずに抱えて生活していたようなもので、いつ爆発するかは時間の問題。しかし脳梗塞には、なりやすい時があり、多いのが、寝ている時とお風呂に入っている時。
寝ている時になったら、周りの人は気が付かないので、死んでいたか、発見されても時間が経って重度の麻痺が残っていたでしょう。
お風呂に入っている時。これは、血行が良くなって頭を低くしているからでしょうが、これも、声が出せず溺れるから、恐ろしいことになります。

しかしダンナさんは、毎日練習していて、そして、寝技という、頭を下にして踏ん張って力を入れる、という練習をしていたおかげで、脳梗塞がその時に起こりました。
ダンナさんがあの日に何も練習していなかったら、その後の入浴中か、寝ている時に血栓が詰まったと思います。

一つ言えることは、ダンナさんが毎日練習する人で、本当に良かった。血栓が詰まったのが、金原先生の前で、本当に良かった。
ちなみに、金原先生が何故あんなにスムーズに処置ができたかというと、医療の知識があったことと、何度か実際に見たことがあったから、らしいです。
先生は一番最初にいたのはプロレス団体でした。プロレスではたまに、あることらしいのです。
試合の途中では、長くても人前で水が飲めないから。なるほど!
あんなに汗をかくのに、それは危ない…。水は本当に大事です。

…ともかく、ダンナさんには、これからも人前で練習してね!もう、みんなに見せつける感じで練習してね!と言ってあります。
異常があったら、すぐに分かるように。人に助けてもらえるように。


「一週間前のダンナさん。これからも頑張ります!」


そしてダンナさん、それまで練習していたおかげで、驚異的な身体の回復力を見せています。8kg痩せたとはいえ、まだ結構ムキムキしてたので。
入院してこんなにムキムキしている人はほとんどいないんだろうな、と実感したのは、退院した日に、言語療法士さん、その会社のマネージャーさん、担当の看護師さん、の三人がそれぞれ訪問して来て、お話して、手続きをしました。
一人目の、言語療法士さんがドアを開けて入って来てダンナさんを見た瞬間、
「あっ?えっと…入院したのは…ご主人様?です…よね?」
と、私と見比べながら戸惑ったように言ったので、
そうです、これでも痩せたんです、と説明したのですが、
「ええー」
と、本当に驚いていました。
そしてその一時間後、二人目のマネージャーさんが来て、ダンナさんを見て
「あれっ?入院されたのはご主人ですよね?」
とまた言われて、そうですと言ったらマネージャーさんは
「いやあ、入院してこんなに筋肉落ちていないなんて、すごいですね」
と言ったので、いや、8kg筋肉落ちたんですが…と言ったら、まだ驚かれました。
そして、そのまた一時間後、三人目の看護師さん。
「お邪魔しまーす!」ダンナさんを見て「…あらっ?…」
そしたら、さすがに三人目。ダンナさんが、携帯をスッと差し出し、入院前に撮った、上半身裸の写真を見せて
「これ、脳梗塞の前です」
と言いました。そしたら
「あっ本当だ!これでも痩せたんだー」
と、非常にスムーズに信じてくれました。

ダンナさん、筋肉の貯金を作っておいてよかった。後はまた練習して、その筋肉に神経が通うようにするだけです。

そして最後に、以前も言いましたが、なんと言っても、皆さんへの感謝。これは本当に、一生忘れません。

…おっと、またスペースがなくなってしまいました。最終回は次回です!
最終回詐欺みたいになってしまいすみません。書いていたら、予想外に書きたいこたがたくさん出てきてしまって、なかなか終われないのです。
ではまた次回に!