2023/3/19
絶望ライン工ch


押忍!八王子みなみ野道場の戸谷です。

家の中で何か作業をしているときは大体ラジオを流しっぱなしにしています。それと同時にパソコンではYouTubeがつけっぱなしです。なんならテレビもついています。当然スマホはゲームが自動進行中です。
毎日マルチタスクでとても忙しいです。

そんなわけで、今回は普段視ているYouTubeチャンネルをご紹介いたします。

『絶望ライン工ch』

2年前から見始め、今では個人的に一番好きなYouTubeチャンネルとなっています。
アップ主である「絶望」さんが自身の日々の生活を撮影し、ただそれを流しているだけのチャンネルになります。見る人によっては「何が面白いのコレ?」と思うかもしれません。
自室で食事をしたり、犬の散歩をしたり、たまに電車に乗って出かけたり…といった、特段何事もない日常風景に絶望さん自身がナレーションをつけているだけの動画が大半を占めます。自炊シーンがほぼほぼメインコンテンツです。

絶望さんは1982年生まれ、現在40歳独身、都内で非正規雇用のライン工をし、社員寮で柴犬「絶望ライン犬」とともに2人暮らしをしています。
経済的に豊かとは言えないながらも丁寧に日々を生きる姿が人気を博し、ここ1年程でチャンネル登録者数が激増しています。

こういった、低所得の独身生活を赤裸々に映したチャンネルはYouTubeに結構沢山あるのですが、大体が日々の生活にくたびれているというか、やさぐれた内容になりがちだったりします。
そういった生臭いやさぐれがなく、清潔感のある絵面と誌的かつユーモアのあるナレーションでどこか品の良さを感じさせるのが絶望ライン工chの特徴です。
ルサンチマンを拗らせたような発言をしていても必ず冗談として昇華していて、全く嫌味がありません。

【39歳独身】絶望工場生活2年目・給料明細【工場勤務】| 収入より、心だ。
給料公開→食事風景→絶犬とたわむれる、という流れ、このチャンネルにおけるいわゆる通常回です。
給料を公開する度に「そんな私の生活は…地獄の苦しみ(実際は楽しくやっております)」と言っています。

【39歳独身】絶望会津旅行記【非正規のGW】| 孤独のゴールデンウィーク
絶望さんが実家の会津に帰省している様子です。大型連休の際はちょくちょく会津帰郷動画が上がります。
絶犬ちゃんも古巣を楽しんでいます。

Fragment (COVER)
絶望さんがYouTuberの見守あらたさんに提供した楽曲『Fragment』のセルフカバーです。
動画投稿を始めてから初の本格的音楽活動、繊細で非常にいい曲です。


実はこの絶望さん、工場に勤める前は「ZANIO(ざにお)」という名義で作曲・編曲家をなさっていました。
動画内で流れる音楽は全て絶望さん自身が作曲ないし編曲したものです。

20代前半の頃は大手の音楽事務所に所属していましたが、作曲の仕事をもらえず編曲ばかりをこなす日々に嫌気が差しフリーに転向。
その後、都内や海外の音楽イベントでDJをし、EDMを中心に楽曲を制作・提供、ニコニコ動画ではボカロPとしても活動していました。即売会に参加すれば一日で3000枚のCDが売れることもあったそうです。
しかし、「音楽で食っていける」と思えたのは一時。仕事は徐々になくなっていき、貯金は目減りしていきます。J-POPにも力を入れようと100曲以上作曲するも1曲もコンペを通過することはありませんでした。

気が付けば30代後半、自身の音楽の才能を見限り、前職とは全く関係のない工場に入社することを決意します。
現在勤めている工場(なんの工場かは明かされていません)は二社目で、職場環境や人間関係に全く不満はなく、仕事にもやり甲斐を感じているとのことです。
そして38歳の誕生日、突然何を思い立ったのか、YouTubeでの動画投稿を始め、現在に至ります。
直近の動画の再生数を見る限り、工場勤務の給料よりYouTubeの広告収入の方がかなり多いはずですが、工場勤務を辞めるつもりはないそうです。


私は、何かに挫折したり人生紆余曲折がありながらもどっこい清く正しく生きているという人が好きで、この絶望さんの有様には非常に好感が持てます。
同い年なので、勝手ながらどこか共感を抱くことも多いです。
仕事終わりに家に帰ってきて1人でご飯を食べているときは、大抵この絶望ライン工chか有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】を視ています。

家事などをしているときにBGM代わりに流しっぱなしにしていることも多く、いつの間にか小1のうちの娘も絶望さんのファンになっていました。
絶望さんが婚活をしていると聞いて「私が彼女になってもいいけど、私が大人になる頃にはこの人は年を取ってもう死んでいるかもしれない」と言っています。

そんなわけで、ハマる人にはハマる絶望ライン工ch、視るでなしに見るというか、お気軽にご覧になってみてください。